【竹の秋って春の言葉?!】見て聞いて学べるNBSacademy便り
おはようございます。
俳句作家の上野貴子です。
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清々しい春ですね。
この頃世田谷辺りでは
花吹雪が舞い
八重桜やつつじが咲いていて
公園には藤棚が枝垂れ咲き
下を見ればチューリップやパンジー
などなど
春の花が咲き誇っています。
どうやら桜前線も例年より早く
あっという間に北上中ですね。
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そんな毎日ですが
鬱蒼とした杜を通りかかると
竹の葉が黄色く色付いていることに
ふと気が付きます。
庭園などで良く見かけますが
竹は春になると黄色く色付きます。
これは、地面に筍が這い出すための
栄養分を送り込むために
親の竹の木では葉が黄色くなり
やがて落葉となり新たな葉を出します。
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これを俳句では「竹の秋」と言います。
秋の黄葉のように見えるから
そう呼ばれているんですね。
勿論、春の季語です。
秋には、逆に「竹の春」と言われて
まわりの木々が紅葉する中で
青々と茂る姿を俳句では「竹の春」
と言い秋の季語となります。
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親竹から栄養を貰った筍は
めきめきと著しく成長して
夏の間に親竹に負けないくらいに
伸びて行きます。
そして秋になる頃には青々とした
葉を茂らせて親竹に負けない
竹の木となるのです。
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植物にも力強い生命力を感じますね。
「竹の秋」がくると
もうすぐ筍の季節です。
人間には「筍飯」など
夏のご馳走が思い浮かびますね。
俳句では「筍」は「たかんな」
と言われて夏の季語です。
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言葉の面白さで春夏秋冬
さまざまに自然と深くかかわってきた
日本語特有の表現ですね。
「竹の秋」から「たかんな」
そして「竹の春」が来て
冬にはしっかりと大地に根を張ってゆく
竹の一年はこうして成長してゆきます。
コロナ禍でなかなか先が見えませんが
竹のように天に向かって
真っ直ぐに元気に伸びて
良い秋を迎えたいものですね。
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